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【フリーランス向け】源泉徴収の要否一覧|デザイナー・ライター・講師の判断基準を徹底解説

フリーランスでも源泉徴収されるケースがある

フリーランスや副業で仕事をしていると、「報酬から税金が引かれて振り込まれた」という経験をした人も多いのではないでしょうか。
この「引かれている税金」がまさに源泉徴収です。

源泉徴収とは、報酬や給与を支払う側があらかじめ所得税を差し引いて、代わりに税務署へ納める仕組みのこと。
会社員は毎月の給与から天引きされていますが、フリーランスでも特定の業務を行う場合には源泉徴収の対象になります。

つまり、同じフリーランスでも「源泉徴収がある人」と「ない人」がいるわけです。
では、その違いはどこにあるのでしょうか。


源泉徴収が必要かどうかは「報酬の性質」で決まる

フリーランスの源泉徴収は、「報酬の種類」によって決まります。
税法上では、所得税法第204条において「支払者が源泉徴収すべき報酬・料金」が細かく定められています。
たとえば、以下のような業種・業務が対象です。

区分主な職種・業務例源泉徴収率(所得税+復興特別所得税)
原稿料・講演料などライター・講師・YouTuber等10.21%
弁護士・税理士・司法書士など士業報酬10.21%
デザイン・作曲・翻訳など著作権に関する報酬10.21%
芸能・モデル・出演料など広告・メディア出演10.21%
プロスポーツ選手・芸能業興行・出演契約報酬10.21%

このように、クリエイティブ系・専門職系の仕事が中心に対象となるのが特徴です。
一方で、事務作業・データ入力・システム開発などの「請負業務」は、原則として源泉徴収の対象外です。


デザイナー・ライター・講師は対象になる?

フリーランスとして人気の高い3職種を例に、それぞれの源泉徴収の扱いを整理してみましょう。

職種源泉徴収の要否根拠・ポイント
ライター必要「原稿料」として明確に対象(法204条1項1号)
講師必要「講演料」も対象。セミナー・研修なども含む
デザイナー条件付きデザインが著作物として認められる場合は対象、単なる作業代行なら不要
エンジニア不要成果物の納品(請負)であり、報酬ではなく対価として扱う
コンサルタント不要(法人契約除く)顧問料は原則不要。ただし講演や執筆が含まれると対象になることも

特に注意したいのはデザイナーやイラストレーター。
制作物が「著作権に基づく報酬」と判断される場合、支払い側に源泉徴収義務が発生します。


法人・個人どちらに支払うかでも違いがある

源泉徴収の義務は、個人に支払う場合のみ発生します。
法人(株式会社・合同会社など)へ支払う場合には、原則として源泉徴収は不要です。

支払い先源泉徴収の必要性
個人事業主(個人)必要(業務内容による)
法人(株式会社・合同会社)不要
フリーランス仲介業者経由仲介業者が処理する場合あり

フリーランスであっても、法人成り(会社設立)をすると源泉徴収が不要になるため、キャッシュフロー上のメリットがあります。
一方、個人事業主のまま活動する場合は、取引先が源泉徴収を行うケースが多く、実際の入金額は報酬の約9割になることもあります。


源泉徴収の税率と計算方法

源泉徴収の税率は、**一律10.21%(所得税10%+復興特別所得税0.21%)**です。
ただし、支払金額によって計算方法が異なります。

通常の報酬の場合

報酬額が100万円以下の場合、
→ 報酬金額 × 10.21%

報酬が100万円を超える場合、
→ {100万円 × 10.21%}+{(報酬−100万円)× 20.42%}

【例】報酬が150万円の場合
→ 100万円×10.21%=102,100円
→ 50万円×20.42%=102,100円
合計:204,200円が源泉徴収額になります。


報酬支払時の仕訳例(支払側)

フリーランスへの支払いを行う企業側では、次のように仕訳処理します。

借方貸方金額
外注費(原稿料など)現金または未払金90,000円
仮払金(源泉所得税)10,000円

報酬額10万円(税抜)の場合、10,000円を源泉徴収し、90,000円を支払います。
翌月10日までに、源泉徴収分を税務署に納付する義務があります。


フリーランス側の経理処理(受け取る側)

フリーランスが報酬を受け取る際には、源泉徴収後の金額が入金される形になります。

例:報酬額10万円(源泉10.21%)
→ 入金額は89,790円
→ 差し引かれた10,210円は「所得税の前払い分」

帳簿上は次のように処理します。

借方貸方金額
売掛金(または売上)売上高100,000円
仮払所得税10,210円

確定申告時に、この「仮払所得税」を差し引いて最終的な納税額を計算します。
つまり、**源泉徴収は最終的な税金ではなく“前払い”**という位置づけです。


源泉徴収票は必ずもらっておく

支払いを受けた側(フリーランス)は、源泉徴収された場合、支払者から源泉徴収票を受け取る義務があります。
これがないと、確定申告で税額控除ができません。

  • 年間で複数のクライアントがある場合 → 各社から源泉徴収票をもらう
  • 納品書や請求書に明記してもらうのも有効
  • 納税額の確認はe-Taxやマイナポータルで照会可能

✅ 注意
源泉徴収票をもらっていないまま確定申告すると、二重課税や控除漏れが発生することがあります。


源泉徴収される仕事・されない仕事の一覧

ここまでの内容を踏まえ、代表的なフリーランス業務をまとめると以下のようになります。

職種源泉徴収備考
Webライターあり原稿料扱い
イラストレーターあり(著作権含む場合)単なる作業代行は不要
グラフィックデザイナー条件付き作品に著作性がある場合のみ
カメラマンあり撮影・映像制作は対象
YouTuberあり広告出演や講演料として扱われる場合
システムエンジニアなし請負契約による成果物納品
動画編集者条件付き著作権が発生する編集業務はあり
講師・セミナー講演あり「講演料」に該当
コンサルタント原則なし顧問契約は対象外だが講演・執筆は対象
翻訳者あり翻訳著作物が対象

源泉徴収される・されない業務の具体例

源泉徴収の対象業務は、税法上の分類に基づいていますが、実際の仕事現場では判断があいまいなケースも少なくありません。
ここでは、代表的な職種ごとに具体的な判断基準を詳しく見ていきます。


ライター・ブロガーの場合

ライターの原稿料は、明確に源泉徴収の対象です。

雑誌・新聞・Webメディア・企業ブログなど、執筆業務で報酬を得る場合は「原稿料または監修料」として課税対象に含まれます。

ただし、以下のようなケースでは扱いが異なります。

ケース 源泉徴収の有無 理由
記事執筆・取材原稿 あり 原稿料として対象
自身のサイト運営による広告収入(アドセンスなど) なし 対企業報酬ではない(事業所得)
メールマガジンやnote販売 なし 対個人取引で源泉徴収義務なし

💡ポイント
企業や出版社から報酬を受け取る場合は源泉徴収あり。
個人向け販売や自社メディア収益は対象外です。


デザイナー・イラストレーターの場合

デザイナーは、「著作権に関する報酬」がある場合のみ源泉徴収の対象になります。

  • クライアントに納品したデザインの著作権を譲渡する

  • イラスト・ロゴ・Webデザインなどに創作性がある

こうしたケースでは、税務上「著作権報酬」として扱われ、源泉徴収の対象です。
一方で、下請け的にデータ修正やテンプレート作業だけを行う場合は、請負業務として源泉徴収不要になります。

✅ 判断基準
「自分の創作が評価されて報酬を受け取っているか」がポイント。


講師・セミナー講演の場合

講師業務は、ほぼすべて源泉徴収の対象です。
研修講師・セミナー登壇・オンライン講座など、形式を問わず「講演料」「出演料」として課税されます。

講師の種類 源泉徴収 備考
企業研修講師 あり 社員教育や社外講師も含む
セミナー講師 あり 対面・オンラインを問わず
スクール講師(継続契約) 条件付き 雇用契約に近い場合は給与扱い
自主開催セミナー なし 自分で集客・運営する場合は対象外

💡注意点
「自主開催」と「依頼されて登壇」では税務上の扱いが異なるため、契約形態を確認しておきましょう。


カメラマン・動画制作者の場合

写真・映像などのクリエイティブ系業務も原則として源泉徴収対象です。
とくに、企業広告やイベント撮影など「著作物として提供する業務」では必ず源泉徴収されます。

ただし、カメラ機材のレンタル費や交通費など立替経費は源泉対象外です。
請求書には、報酬と経費を分けて記載することで、余分な税金を引かれずに済みます。


コンサルタント・顧問契約の場合

コンサルティング報酬は、原則として源泉徴収不要です。
顧問料・アドバイス料・分析報告書作成などは、請負契約の性質が強いためです。

ただし、次のような場合は源泉徴収対象となることがあります。

  • セミナーや講演を含む契約

  • 原稿執筆や監修を依頼された場合

✅ アドバイザー契約のみなら不要。
「講演」「執筆」などが含まれる場合は対象になります。


源泉徴収された後の確定申告の流れ

源泉徴収されたフリーランスは、確定申告で最終的な税額を精算します。
その手続きの流れを整理しておきましょう。


① 源泉徴収票を集める

各クライアントから受け取った源泉徴収票を集めます。
1月〜12月の報酬に対応する書類が翌年1月末までに交付されるのが原則です。

複数の取引先がある場合、それぞれから1枚ずつ発行されるため、
提出漏れがないようファイル管理しておきましょう。


② 所得金額を集計する

確定申告書B・青色申告決算書に、売上(報酬総額)を記入します。
ここでは「源泉徴収前の金額」で集計します。
入金額だけでなく、請求書ベースで売上を計上するのが原則です。


③ 仮払所得税として差し引く

確定申告書の「所得税及び復興特別所得税の源泉徴収税額」欄に、
各源泉徴収票の合計額を記入します。

✅ ポイント
源泉徴収は税金の前払いなので、実際の納税額より多く引かれていた場合は還付されます。


④ 経費・控除を正しく申告する

報酬が源泉徴収されていても、経費を申告すれば所得税を減らせます。
経費には以下のような項目が含まれます。

  • パソコン・スマホ・通信費

  • 打ち合わせや取材の交通費

  • ソフトウェアやクラウドサービス利用料

  • 書籍・セミナー代

  • 仕事用スペースの家賃(家事按分)

青色申告にすると最大65万円の控除も受けられます。


⑤ e-Taxや税務署で申告・納税

確定申告はe-Taxでの電子申告が主流です。
還付を受ける場合、最短1〜2週間で指定口座に振り込まれます。
納税が必要な場合は、3月15日までに納付を完了させましょう。


支払調書の扱いと注意点

源泉徴収票と混同されやすいのが「支払調書」です。
支払調書は、報酬支払側(企業)が税務署に提出する書類であり、
フリーランス本人への交付は義務ではありません。

ただし、クライアントの多くは源泉徴収票の代わりに支払調書を発行しています。
どちらの形式でも、源泉徴収税額と報酬総額が記載されていれば、
確定申告で使用できます。

💡注意
支払調書が届かない場合でも、報酬明細や請求書・入金記録をもとに自分で申告すれば問題ありません。


源泉徴収があるフリーランスの節税ポイント

フリーランスは報酬から源泉徴収されるとはいえ、工夫次第で手元に残るお金を増やすことができます。
以下の3つのポイントを押さえましょう。


① 青色申告で控除を最大化する

青色申告承認を受けておけば、最大65万円の特別控除が使えます。
帳簿を正確に付ける必要はありますが、
クラウド会計ソフトを使えば自動化も容易です。


② 経費をもれなく計上する

自分で仕事に使う支出は、すべて経費にできる可能性があります。
特に次のような費用は見落とされがちです。

  • 打ち合わせ時のカフェ代

  • 名刺・ポートフォリオ印刷費

  • クラウドストレージ利用料

  • 自宅作業スペースの光熱費(家事按分)


③ 法人成りを検討する

ある程度報酬が増えてきたら、法人化も検討しましょう。
法人にすると、クライアントからの支払いで源泉徴収されなくなり、
キャッシュフローが改善します。

また、役員報酬や経費の範囲が広がるため、
結果的に節税効果が高まるケースもあります。


まとめ:源泉徴収の仕組みを理解して損しない働き方を

フリーランスの源泉徴収は、「誰に」「どんな内容で」仕事をしたかによって変わります。

  • 原稿料・講演料・著作権報酬などは源泉徴収あり

  • システム開発や請負型業務は源泉徴収なし

  • 個人に支払う場合のみ対象、法人なら不要

  • 確定申告で前払い税を精算できる

  • 経費計上・青色申告で節税効果アップ

この仕組みを理解しておけば、余分な税金を払わず、
正しく節税しながらフリーランスとしての経営を安定させることができます。

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